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高齢犬のケアElder Care

動物社会の高齢化

現在、ワンちゃんの寿命は獣医療の発達やワクチンなどの予防薬の普及、飼育環境の改善、栄養バランスのよい食事などにより10年前と比べ5年以上も伸びてきていると言われています。

一般的に7歳以上を高齢動物とされますが、目に見える老化のサインが出てくるのが、小型や中型犬は9〜10歳、大型犬は7〜8歳頃です。

現在日本の犬の半数以上は7歳以上の高齢犬で、ワンちゃん社会も高齢化となっています。

定期検診の必要性

ワンちゃんが年を重ねるにつれ、動物病院での定期検診がこれまで以上に重要になってきます。
ワンちゃんは1年に人間の4歳分もの歳をとり、病気の進行も人間より早いと言われています。

なので、ワンちゃんが高齢期を迎えたら、病気の早期発見のためにも半年を目安に定期検診を受けることをお勧めします。
通常の身体検査のほかに、尿・糞便検査や腹部、心臓の超音波検査も実施した方がよいでしょう。
また、最低でも年に1回は血液検査を受けることをお勧めします。

加齢に伴って現れる身体的変化

高齢犬になると、身体のあらゆる部分に加齢性の変化が生じます。
内臓や心臓の機能の低下、皮膚・眼・骨などの衰え、腫瘍の発生、歯の病気の増加など、さまざまな症状が現れてきます。

「老衰」という病気はありませんので、「もう歳だから」と諦めずに、その子にあったきちんとしたケアをしてあげましょう。

老犬ワンちゃんの生活環境

高齢となったワンちゃんのために、住みやすい環境を整えてあげましょう。

住みやすい環境対策

  • 直射日光やエアコンの風が直接あたらない所にベッドを置く
  • つまづきやすくなるので、段差の幅を短くしたりスロープを設置する
  • 室内の滑りやすい場所はマットなどを敷く
  • コードなど足に引っ掛かりやすいものを取り除く
  • 家具の出っ張りには緩衝材をつけるか取り除く。
  • 階段など危ないところには仕切りをする
  • 異常などがあった場合に気づけるように人目のつくところに囲いをつくる

温度・湿度環境

犬は寒さに強く、暑さに弱いと言われますが、高齢になると寒さにも弱くなります。エアコンで温度と湿度を管理しましょう。  

老犬に快適な温度と湿度の目安   
 室温:夏は18〜20度、冬は25〜30度   
 湿度:45〜60%

冷却マットを使うのも良いでしょう。冬はストーブやこたつ等を使うかもしれませんが、老犬は温度変化を察知しにくいため、直接ヒーターに当たりすぎて皮膚炎を起こすこともあります。暖房器具と動物との距離には気をつけましょう。

食餌の与え方

高齢になるとエネルギー消費量が減るので、低脂肪、低カロリーの栄養バランスの取れたシニア用フードに切り替えましょう。腎臓や心臓に負担にならないようにタンパク質やリン、ナトリウムが抑えられ、抗酸化物質を強化しているフードが良いでしょう。 食餌を切り替える際は一週間以上かけて徐々に切り替えるようにしましょう。

病気ではないのにワンちゃんが食餌を食べなくなる理由の一つに、フードが食べにくいということが考えられます。

その対策として

  • 一回の食事量を減らし、食餌を与える回数を増やす。
  • 食事を温めたり、ドライフードをふやかすなど、食事の形状・粘度・匂い等を工夫する。
    食欲があるうちに、決まった形状、食感のものを与えておくことにより嗅覚が衰えても、継続して抵抗なく食べてくれることも多いです。
  • 水分摂取量が減少するので、食事と一緒に微温湯やスープをドライフードに加える。
  • 食器の位置を高くする。
    大型犬や肥満傾向にあるワンちゃん、あるいは関節炎を患っているワンちゃんは、かがむのが難しく、食器が低い位置にあると、食餌の時に苦痛を感じている可能性があります。
  • 寝たきりの子には、誤嚥を防ぐために、クッションに寄りかからせたりして、少しでも頭を高くして食餌を与える。
    食べた直後は誤嚥を起こしやすくなっています。すぐに体位変換はしないようにしましょう。

排泄について

外で排泄することが習慣になっているワンちゃんは、歩けなくなっても排泄時には外に連れ出さないといけなくなります。介護のことを考えると、室内で排泄させるために、子犬の頃から室内トイレにも慣らしておくのが望ましいでしょう。

排泄時の補助について

足腰が弱っているワンちゃんの排泄時には、後ろから腰を支えてあげるか、後ろ足を支えるように腰にタオルを巻いて上に支えてあげると良いでしょう。自分の腰を痛め無いよう気をつけましょう。

寝たきりのワンちゃんには、排泄を上手に促す便秘の解消や予防も大事です。
高齢になると肛門まわりの筋肉も衰えてくるので、腸の働きが弱くなって便秘することもあります。小さく刻んだ野菜を水分大目にして与えるなど食物繊維の多い食事を心がけましょう。またお腹を「の」の字にマッサージするのも効果的です。

高齢になりトイレに失敗するようになってきたら、マナーベルトやオムツを使用することも考えてみましょう。
犬用のオムツもありますが、人用のオムツを尻尾の穴をハサミでくり抜いて代用できます。小型中型犬の場合は幼児用を、大型犬の場合は成人用を使用します。オムツに女性用のナプキンをセットしておくと、少量の尿の場合はナプキンだけを替えればよいです。

また排泄時に適切なタイミングでおむつの交換や体を支えてあげるために、まずどの程度の間隔で排泄しているのか把握することが大切です。最初のうちは排泄のタイミングをメモしましょう。
長毛の犬の場合は肛門まわりや股のまわりの毛をカットすることで排泄後の手入れがしやすくなり、皮膚炎、湿疹の予防になります。

床ずれ(褥瘡)

床ずれは、体位変換が困難などで、一定部分に圧力が加わり続け、皮膚に血流が流れなくなることで起こります。床ずれが起きてしまうと、治療に時間と費用がかかります。ワンちゃんが寝たきりになってしまったら、まずは寝具、寝返りなどで、床ずれの予防をおこないましょう。

硬すぎず滑りにくい寝床を準備し、いつも清潔に保ちましょう。
介護用マットレスなどを用いて体圧を分散させ、なるべく伏せの状態を保てるように周りから毛布やクッションで体勢の維持を行うことが床ずれの防止に効果的です。マットの上に防水シーツを敷けば汚れを防ぐことができます。人用の水遊びの際に使うエアマットに空気を少し入れて利用するもの経済的です。マットにより体圧がうまく分散できているようなら、体位変換は必要最低限でよいでしょう。

夜鳴き

ワンちゃんの夜泣きには、何らかの理由があります。夜泣きの原因を見つけて対応をしていきましょう。

欲求:
まずは、排泄をしていないか、水分は取れているか、長時間同じ体勢ではないか、室温は適切か、居心地が悪くないか等をチェックして、理由のない夜鳴きなのかを判断しましょう。居る場所を定期的に変えてみたりするだけで、治まってしまう例もあるので、まずは試してみましょう。

不安感:
高齢のワンちゃんの夜鳴きの原因として考えられるものに不安感があります。老化に伴い目や耳、鼻が衰え、飼い主さんの姿も確認できず、声も聞こえず、臭いも感じ取れずに不安を感じて吠えてしまっているのかもしれません。対処としては、自分のベッドの近くに寝かせてあげたり、飼い主さんの臭いが強いものを鼻の近くに置いてあげたりするなど、飼い主さんの存在を分かるようにしてあげましょう。

体内時間のズレ:
認知症では、昼寝ていて、夜になると夜鳴きをする、そんな子が多く見られます。「いつも一緒に居てくれるはずの時間なのに」、「散歩にそろそろ行く時間」など、そんな勘違いから飼い主さんを呼んでいるのかもしれません。そんなときは、体内時計のズレを少しでも改善していきましょう。 日光には生体時計を調整する働きがあります。晴れている日は日光浴をさせ、歩行が可能ならば散歩をさせましょう。

毎日毎晩鳴き続けるのは、ワンちゃんの健康にとっても良くありませんし、また飼い主さんにとっても非常に辛いことだと思います。ワンちゃんが突然夜泣きをするようになったり、鳴き方が今までと違う場合には、病気や体の痛みが原因となっている可能性もあります。早めに来院して、獣医師とよく相談しながら対策(治療、環境対策、抗不安剤の投与など)を立てることをお勧めします

認知症

ワンちゃんの認知症は、加齢に伴う脳の変化や、栄養(代謝)状態の変化により起こることが分かっています。 ワンちゃんの認知症は、11歳頃から発症することが多く、認知症の平均年齢は16歳±1.8歳です。小型犬から中型犬に多く、雌(30%)よりも、雄(70%)に多いと言われています。犬種を見ると日本犬系雑種が最も多く全体の約50%、次いで柴犬34%となっています。

飼い主さんでもできる!ワンちゃんの認知症セルフチェック(13歳以上)

  • 夜中に意味もなく単調な声で鳴きだし、止めても鳴き止まない。
  • 歩行は前にとぼとぼ歩き、円を描くように歩く(旋回運動)
  • 狭いところに入りたがり、自分で後退できないで鳴く。
  • 飼い主、自分の名前も分からず、何事にも無反応になる。
  • よく寝て、よく食べて、下痢もせず、痩せてくる。

当てはまる項目が一つでもあれば1項目で認知症疑い。すぐに受診をお勧めします。

対策として

1. 脳や体への刺激を増やす
日々の生活の中に、刺激が少ない子ほど、認知症が進行するといわれています。刺激を増やしてイキイキとしたシニア生活を楽しみましょう。

  • 散歩や日光浴に出かけて、お友達に会う
  • 散歩ルートに変化を加えてみる
  • 知育トイや新しいオモチャを与える
  • マッサージやスキンシップをする
  • 新しい芸を覚える。また、元々できる芸はおさらいする
  • 同居犬と遊ばせたり、新しい子犬を迎える ※本人の性格による
  • 日中の活動量を増やす

2. 生活環境を整える
高齢になると、目が見えにくくなったり、耳がとおくなったり、筋肉量も落ちて、活動量も減ってきます。 フードや水、トイレなど、生活に必要なものを身近な場所に設置し直したり、弱った体でも歩きやすいように「バリアフリー」の環境を整えてあげましょう。

  • 模様替えをしない
  • 段差をなくす。ソファや別途に上がる子には、スロープをつくる
  • 食べやすい高さに食器を置く(手で口の高さまで食器を持ち上げてもOK)
  • 足が滑らないように、カーペットを敷く  (目が見えない子には、タイルカーペットで点字ブロック様にしてあげる)
  • 起き上がり易いベットを用意する

3. 栄養・薬物療法
認知機能の障害の進行を最小限にする薬や不安行動に効果のある薬、深夜徘徊に効果がある薬を使ったり、認知症の脳で不足している栄養を、フードやサプリメントで補う方法があります。

動物用では、EPAやDHA,ARAなど青魚や卵に多く含まれる脂肪酸が配合されたサプリメントやフードを与えると、認知症の症状が改善したという報告があります。また緑茶に含まれるL-テアニンは不安の軽減に対して効果があると言われ、イチョウ葉エキス(Ginko biloba)は、 脳への血流の改善と抗酸化物質として働き、老齢動物での不快な行動の減少がみられたという研究結果もあります。


Jonan Sakuma Animal Hospital城南さくま動物病院

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