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スタッフからのメッセージMessages from the Staff

心臓とワンちゃん

2017年11月 ゆうこさん

1日の中でも気温差や日々の寒暖差が大きく体調を崩すことも多くなる季節ですね。
風邪や呼吸器系の病気が増え、特に免疫が弱まっている高齢犬は注意が必要かと思います。

私の犬も10月で16歳を迎え誕生月ということで、久しぶりに血液検査をしました。
以前から心臓は悪かったのですが…今は実家へ預けている為、毎日の投薬が難しく家族での話し合いで薬は飲ませず生活させてきました。
しかし、最近は食が細くなり体重も減りだし、あまり動きたがらず寝てばかりいることが多く、疲れやすい様子でした。検査結果もやはり数値は悪くこのタイミングで投薬を始めることに決意しました。
心臓の薬を飲ませ始めるとあんなに寝てばかりいたのに動きも良くなり、食欲もでてきて、すごく体が楽になったんだろうなぁと思う変化が目に見えてわかりました‼︎

しかし、心臓の薬は一生飲ませ続けなければならない薬です。途中で止めてしまうと一気にに心臓に負荷がかかって状態が悪化してしまう可能性があるからです。なので家族みんなで『幸せに暮らせる時間を少しでも長く』してあげれるために協力してもらわないと続ける事が大変だなぁと実感しています。

あと、トリマーの私でも自分の犬のトリミングはとても神経を使います。心臓の悪いワンちゃんは、温度と湿度管理には十分注意が必要だからです。特に、シャンプーでの温度の高い場所で熱い蒸気を吸い込むと負担が大きいようです。
また、長時間立ちっぱなしを強いられることもあるのでシャンプーやトリミング後に具合の悪くなることもあります。なるべく温度は低いぬるま湯で手早くシャンプーをし換気に気をつけて、なるべく蒸気を吸わせないようにするなどの工夫が必要です。

写真はコメントと関係ありませんが年に1〜2回やってくる子供のお弁当です。
料理は苦手で絵心もない私ですが、ハサミを使うキャラ弁にはハマってしまい毎回クックパッドとにらめっこしながチョキチョキやってます(笑)

  

ノミダニ予防

2017年9月 ゆき子先生

9月になりましたが、まだまだ暑いですね。お盆に関西の実家に帰省させてもらったのですが、そこから熊本に戻った際に熊本の暑さと蚊の多さは格が違うと実感しました。 痒いのが大嫌いな私としては、この季節は蚊やノミダニに非常に敏感に反応してしまいます。 ダニのトピックと言えば、7月に、野良猫に咬まれた人が重傷熱性血小板減少症候群(SFTS)を発症し亡くなられたというニュースが話題になりました。

*重傷熱性血小板減少症候群(SFTS):SFTSウイルスを有するマダニに咬まれることにより感染する。重症化すると死ぬことも。日本での致命率は約20%。熊本でも死亡例あり。

今回の例ではこの亡くなられた方を咬んだ猫がSFTSウイルスに感染していたかどうかが分からず、その猫から咬まれたことが原因でSFTSウイルスに感染したかどうか明らかでないため、過剰に不安を感じるべきものではないかと思います。ですが少なくとも、毎月のノミダニ予防をしていない犬猫と一緒に生活していれば、人がSFTSウイルスを持ったダニに咬まれる可能性は上がります。これまでは主にわんちゃん・ねこちゃんの病気を予防することを目的としてノミダニ予防をお勧めしてきましたが、これからは飼い主さんがSFTSウイルスにかからないようにするためにも、わんちゃん・ねこちゃんのノミダニ予防をお勧めしないといけないな~と思うニュースでした。

動物が好きで一緒に暮らす者としては「猫に咬まれたらSFTSになるかもしれない」と過剰に猫に対して警戒されることが心配になりましたが、ペットを飼っている人にも飼ってない人にもお互い気持ちよく暮らせる社会であるためにも、各種の予防を徹底することを含めて適正飼育・適正管理をしていきたいですね。

  

基本的なスタンス

2017年3月 まさと先生

だいぶ暖かい日もでてきましたが、まだまだ寒さの油断はできませんね。

一昨年、昨年は病院の改修、引越しから、少し落ち着いたと思ったら熊本地震と当院にとっても怒涛の2年間でした。 その間様々な辛いこと、きつかったこと、また喜ばしいこともありましたが、無事にこの三月で新年度を迎えることができました(当院には2月決算のため)。

今回は私がこの病院で診療を始めたときに一度、記事に書いているのですが、ここで再度、自分自身の獣医療に対する考え方、また当院の基本的なスタンスについてお伝えしたいと思います。

私はEBMに基づいて診療を進めたいと思っていますし、これは当院の基本的な考え方です。
EBMとはEvidence-Based Medicineの頭文字をとったもので、日本語に訳すと‘根拠に基づく医療’です。
ここでいう根拠とは客観的事実、つまり身体検査であったり血液検査、レントゲン検査、超音波検査などの病院で行う様々な検査結果や、実際に医学論文などに掲載されている医学的に証明されている証拠のことです。
つまり、EBMとは、客観的な医学的証拠に基づき、証明されている方法で治療を進めていく診療方法です。
しかし、前述の話では、どんな症状でも血液検査であったり、画像検査であったり、まずは何が何でも全ての検査をしないとダメ!と聞こえるかもしれません。
もちろん、どんなに軽い症状でも大きな病気が隠れているかもしれないので検査をするに越したことはないですが、動物は自分が何をされているのかわからない分、病院に来るだけでも怖がる子もいますし、様々な検査は動物達にとって大きな精神的、肉体的な負担を与えかねません。
さらに飼い主様に大きな経済的な負担をかけてしまうこともあるでしょう。

私が一番大事だと思うことは、獣医師が動物のいろいろな病気について、症状や危険因子、診断法、治療法、さらに予後までの知識をしっかりもって診療にあたることだと思います(私もまだまだ日々勉強の身です・・・)。
その知識や経験をもって、何でもかんでもまずは検査ではなく、動物の状態を良く把握し、確定診断に至る最小限、最短の検査を飼い主様によく説明、提示し、原因治療をEBMに基づいて進めていくことが大事だと思います。

城南さくま動物病院はEBMをモットーに日々の診療を進めていきますので、病気のこと、生活習慣のことなど少しでも気になることや疑問点がありましたら気軽にどんどん質問してください。当院の獣医師、看護師ともどもと質の良い医療、ホスピタリティーを提供していくために今後とも日々、勉強していきたいと思います。

※写真は本文とはまったく関係ありません。私の趣味は食べ飲み歩きです笑

  

ホープ

2017年2月 ゆうこさん

2017年もあっという間に1ヶ月が過ぎ2月になりましたね。
この季節になるとインフルエンザが流行りだしますが、皆さんは大丈夫ですか?

さて、私が今すごく考えるさせられる事があります。それは15歳を過ぎた愛犬ホープの事です。

聴覚、視覚、筋力の衰えが目に見えてわかりますし、歯も何本か抜けて今はドライフードをお湯でふやかしてあげています。
まだまだ元気に過ごしているのですが、ここ最近は老犬介護の事も頭をよぎります。

ホープは、私のトリマー人生に欠かせない存在です。
トリマーの試験でモデル犬として、就職してからはカットの練習犬としてベアカットにしたり、モヒカンにしてみたり、背中にハート型?をデザインしてみたりと、この子を通して沢山の事を学ばせて貰いました。

老犬になってからは、汚れないようにやお手入れしやすいようにと短く丸刈りにしていますが…
しかし、いつでも出来るからと思い我が家の犬は、なかなか手入れを後回しにしまいがちなんですよね(苦笑)

16歳まであと8ヶ月何事もなく穏やかに過ごせれるように出来る限りのサポートをしていきたいと思っています。

  

震災から半年

2016年11月 ゆかちゃん

こんにちは。11月に入り急に寒くなりましたね。体調管理に気をつけ頑張っていきたいと思います。

さて、熊本地震から半年たちましたね。私も地震で家が大きな被害をうけ、車中泊したり、断水も長く続き、普段の生活のありがたさを痛感すると共に、とにかく1日1日が必死であっというまに過ぎた感覚があります。 動物と携わる仕事をしていると、元気がなくなる、ソワソワして落ち着かないなどの患者さんが多く見られました。また、 私の愛犬も動こうとせずじっとしていたり、トイレがしばらくできなかったりといつもと違う様子でした。 人と同じように動物も大きな不安やストレスなど感じ、体調崩したりいつもの生活ができなくなったりしてしまうんだと身をもって知りました。

また、悲しくも逃げ出してしまったペットたちも多くいたようです。予想外の出来事なのでどうしたらよいかわからず相談される方もいらっしゃいました。 今回震災を通して、いつ何がおこるかわからないからこそ、普段から迷子札を推奨したり、もし何かあった時どんな対応策をしたらよいか、何ができるかを考えて、きちんと理解してお伝えできるようになりたいと思いました。またペット達の気持ちも少しでもくみ取れ、ストレスなどが軽減できる手助けができるよう色々学ばなければと思いました。

  

感染症に注意しましょう

2016年08月 ゆき子先生

こんにちは。毎日暑いですね。ゆきこです。

つい先日、4月の大地震以降でやっと初めての丸一日地震がない日が来たそうですね。
当院は地震、そしてその後の洪水を何とか乗り切り、地震の時に壊れた私の診察室の顕微鏡やモニターも修理から戻ってきて、ほとんど通常モードになりました(あと少し、元通りでない部分もありますが‥)。地域的にも仮設住宅への入居が始まって、少しずつ前進しているように思います。ですが診察の時に飼い主様から、「自宅が全壊になり、愛犬(猫)と一緒に住めなくなった。」とか、「間借りさせてもらっているから、ペットに十分な配慮をしてあげられなくなった。」などという話を聞くことも少なくはなく、まだまだ先は長いな~と実感します。そしてそんな大変な中でもペットのために頑張って治療に通われる飼い主様を見るにつけ、私も自分のできることをできる限り頑張らないといけないなと気持ちを引き締める次第です。  

そして地震後のこの3ヶ月間で診察を行っていて気付くのが、今年はノミが多いということです。相談を受けることもいつになく多いです。過去の経験では大災害のあとはノミに限らず感染症が増えるそうです。ノミダニ予防、フィラリア予防、ワクチンといった各種の予防はお済みでしょうか?病気じゃないし‥、連れていくヒマがないし‥、お金もかかるし…、という事情もよく分かりますが、病気になってからでは余計に時間も治療費もかかります。こんな大変な時だからこそ病気を未然に防ぐための予防を、怠らずにしてあげてください。  

それでは、動物も人間も健康管理に気を配り、この厳しい季節を乗り切りましょう。

動物と人間の関係

2016年04月 まさと先生

こんにちは、副院長のまさとです。久しぶりのメッセージとなりました。
かなり暖かくなり、日の出も早くなり本当に散歩が気持ちの良い季節となりました。

さて今回、「動物と人間の関係」と題して少し書きたいと思います。
あくまで個人的な考えですのでご了承ください。

そもそも人間はなぜ動物を飼うのでしょうか?
もともとは猫であれば、穀物を狙うネズミの駆除、また犬であれば番犬としてや猟犬や牧羊犬などの使役犬として人間に有益な家畜としてスタートしたのでしょう。
考えようによっては、そのころは家畜として働いてくれた代償としてお世話をしたり、餌をあげたりという関係になると思います。

では現代ではどうでしょうか。 現役のお仕事をしている動物も多く存在していると思いますが、割合的には大多数が個人の家庭に入り愛玩動物、コンパニオンアニマル、家族として生活しています。
ここで自分が動物と一緒に暮らす理由はズバリ癒されるためだと思っています。
仕事で毎日何十頭も動物と触れあうのですが、仕事後飼っている子達と触れ合うと本当に癒されます。
おそらく人間は根源的に、動物で疲れた心が癒されるのだと思います。

ただ、人間が自分のために飼っている動物は飼い主を選べないですし、飼われている以上、自分の好きなときにお散歩に行き、好きなときに食べ、好きな相手と交尾し、子供を作ることはできません。
また基本的に人間から作られた動物であるため、自然界で自力で生きていくには難しい生物です。

そこで、動物に心の癒しをもらう代償として、人間は適切な環境を整え、健康を考え食事を与え、必要な予防をして、性ホルモンからくる疾患にちゃんと対処し、病気になったら治療するという義務をおっているのかなと私は考えています。 愛玩ではなく本当に家族としてお迎えされている方にとっては当たり前のことかもしれませんが。

野良?猫にお外で餌だけやっていますという方も、かわいそうだからという理由もあるかもしれませんが、根源的にはお世話をして安心そうにしている姿、餌をおいしそうに食べる姿をみてご自身が癒されている、愛護されているのだと思います。
なので、餌だけあげて、上記の義務を果たさない方は個人的には動物から癒しだけをもらって、ズルいとも思ってしまいます。

もちろんこれはあくまで僕個人の考えで、動物の飼い方は、人から指図されるものではなく飼い主様それぞれのお考えがあって然るべきだと思います(動物の愛護及び管理に関する法律を逸脱してはいけませんが)。

かなりとりとめのない文章になりましたが、今回この記事を書いていて、自分自身の考えを再確認するとともにHPのトップにも書いてある当院のモットーであり、先代の院長の言葉「動物達の命に添う獣医療」の重みを心に刻んで日々の診療をしていこうと今さらながら思いました。

4月から狂犬病の集合注射も始まり、動物病院が慌ただしくなるこの季節、スタッフ一丸となって頑張っていきたいと思います。

  

テネシー研修:動物と人間への暴力

2016年03月 よりさん

先月に引き続き、昨年の10月31日から11月5日にアメリカ・テネシー大学で行われた獣医療ソーシャルワークのワークショップの報告です。

11月2日、3日の二日間の第4回獣医療ソーシャルワークサミットの後の2日間は、”the link”動物虐待と人間への暴力の関連性についてのワークショップでした。講師は、the Animals and Society Instituteの事務局長で、動物虐待とドメスティックバイオレンス(以下DV)の関係性に取り組んでいる臨床心理博士のマヤ・ギャプタ氏と警察や司法機関と連携して長年動物への性的虐待に取り組んでいるジェニー・エドワード氏でした。

The linkとは、動物に対して暴力的な人は、他の人間に対しても暴力的であり、動物虐待とDV・児童虐待・高齢者虐待は密接であるという関係性のことを示しています。動物虐待が行われている家庭では、人に対しても暴力が振るわれていることが多いと報告されており、動物虐待は、現在行われているDVや児童虐待などの暴力や将来的に起こる暴力を予測するものと言われています。

凶悪犯罪を犯した人の多くが子供のころに動物を虐待した経験があり、動物に対する暴力は徐々に人間への暴力に移っていくと言われています。ある調査によると、非暴力犯罪者の20%が子供のころに動物を虐待していたことに比べ、暴力犯罪者の56%が動物を虐待していたとあります。受刑者を対象に行われた別の調査では、180名のうち103名は子供のころに動物虐待をしており、虐待を始めた年齢が若いほど、人間に対する暴力の反復性が高いと報告されています。そして、自分自身が虐待を受けていたり、DVを目撃している子どもの方が、動物を虐待することが多いと報告されており、動物虐待はのちに人間への暴力と発展する危険性を大きくはらんでいるので、子供による動物虐待を見逃してはならないという考えがアメリカで広まっています。

また、動物虐待とDVの関係ですが、DVでは、加害者が被害者を家族や友人に合せないようにさせて、孤立状態を作り出すことがあります。そんな時に被害者にとってペットのみが唯一残された心の支えとなっていることがあります。それを知っていてか知らずにか、DV加害者は被害者をコントロールしたり、報復のために被害者が大切にしている動物に危害を与えることがあります。また被害者が暴力から逃げたいのだけれども、動物と一緒に入れる保護施設がないし、動物を置き去りにしたら加害者が危害を加えると分かっているので、動物を置き去りにできないとの理由で、暴力から逃げることができないということもあります。DV被害者とペットに関する調査では、ペットのいる被害者の45.5%から71%が、加害者からペットを脅されたか、実際に危害を加えられたか、殺されたことがあると報告されており、20%ほどがペットがいることでシェルターに保護されることをためらったとしています。これを受けて動物を連れて入れるDV保護施設が徐々に増えてきているそうです。

また、動物虐待の一つとして、そして人間の自分自身に対するネグレクトの問題としてアニマルホーディングの問題があります。アニマルホーディングとは、たくさんの動物を基本的なスペースや食事、衛生状態、医療措置などを与えずに、動物が病気や飢え、または死んでいることや不衛生な環境に対して何も行わず、動物にも人間にも問題があることを自分で認識することができていない状態です。家の中に100匹以上の猫が飼われていたり、狭い敷地内で40匹以上もの犬が放し飼いされていたり。。。などです。。これらの動物は、70%以上のケースにおいて、人も生活している場所にも糞尿垂れ流しという不衛生な状態で飼われ、60%以上のケースにおいては、動物の死骸が見つかったという悲惨な状態が報告されています。これらの動物を飼い主から引き離し保護することで問題が解決するわけではありません。なぜなら、アニマルホーディングは、常習性が高く、再びその行為を繰り返す可能性が高いからです。ホーディングは、精神疾患の一つと考えられ、強迫性障害や不安症、境界性パーソナリティ障害、統合失調症などと関係があるのではと言われています。アニマルホーディングの問題を解決するには、飼主さんが根底に持っている問題を解決していかなくてはならないとされています。

アメリカでは動物と人間への暴力の関連性が徐々に認知されるようになり、警察や動物虐待を取り締まるアニマルコントロールと児童保護局、高齢者保護局は、人間に対する虐待や動物虐待をお互いに報告することを義務としている州もあります。しかし、メンタルヘルスや福祉、医療などの現場でクライアントのアセスメント(評価・査定)を行う時に、動物を飼育しているかを聞くことはまだ稀で、家庭内で飼育している動物のことを聞くことにより、人間に対する暴力の状況が詳しく見えてくることより、アセスメントの中に動物に関する質問も入れていくべきだとの話がありました。アメリカではこの関連性について徐々に認知が上がってきているようですが、日本ではまだまだ認知されていないと思います。動物虐待を動物に対する暴力とだけとらえずに、そこに人間に対する暴力や介入を必要とする問題が潜んでいる可能性が高いことを考えて、取り組んでほしいと思います。

テネシー研修:獣医師さんの心のケア

2016年02月 よりさん

昨年の10月31日から11月5日にアメリカ・テネシー大学獣医療ソーシャルワークプログラム主催のワークショップと学会に参加してきました。病院の引っ越しなどでバタバタしていて、なかなか報告が書けていなかったので、今月と来月で今回の研修についてお伝えしたいと思います。

10月31日と11月1日は、「共感疲労」(compassion fatigue)のワークショップ、11月2日、3日の二日間は、獣医師のウェルネス(心身の健康)を主なテーマとした第4回獣医療ソーシャルワークサミットが開催されました。ワークショップには20名ほど、サミットには200名ほどの獣医師とソーシャルワーカーが全米から集まりました。

「共感疲労」とは,傷つき、苦しんでいる人を援助すること、また援助したいと思うことから、援助する人が体験する苦しみや悲哀、疲労のことで、「ケアの代償」とも言われています。獣医療の中でも、獣医師や動物看護師などが、患者である動物たちや飼い主さんを助けようとする中で、自分たちがストレスを受け燃え尽きてしまうことが多々あります。

今回のサミットでイギリスで獣医師や獣医学生の自殺について研究されているDavid Bartaram氏の話を直接聞くことができました。

イギリスの調査では、獣医師の自殺率は一般の人に比べて3倍から4倍、他の医療関係者に比べても2倍というデータがでています。イギリスだけではなく、アメリカやオーストラリア、ベルギー、ノルウェーでも同じような調査結果がでています。

特に低所得層の地域で働く獣医師、卒業してからの年数が短い獣医師、労働時間が長い獣医師の間に鬱や自殺のリスクが高いとされています。

(日本はというと、警察庁が自殺者統計を毎年発表しており、それには職業別の統計もあるのですが、「獣医師」という項目は含まれていません。しかし、(人間の)医師の自殺者は日本人全体と比較してもとても多いこと、また小規模な調査ではあるけれども動物看護師の間でうつ病が多いという報告はされています。)

なぜ、獣医師の間で鬱などの精神疾患や自殺が多いのでしょうか? 獣医師の高い自殺率の要因として考えられるものは、

  • 神経質、完璧主義、誠実など獣医療に関わってくる個人の特性
  • 長時間労働、高い精神的要求度、経営側からのサポートの少なさ、飼い主さんからの大きな期待などの仕事環境による大学や職場でのストレス
  • 致死的な薬物を手に入れることができ、それを利用するための知識があること
  • コンパニオンアニマルの安楽死や家畜のと殺などに常に関わっているおり、獣医療では、苦しみから逃れるための「安楽死」が受け入れられていること
  • 狭い獣医療の世界での同僚などの自殺による自殺の伝染

などがあると言われています。

個人的には、「安楽死」の関わりは大きいのではないかと感じます。以前も紹介したのですが、アメリカの獣医療では安楽死がとても多いです。獣医療費の高さや死に関する考え方の違いが安楽死の多さの要因だと思います。

しかし、ある調査結果によると、安楽死の頻度は、うつ病になるマイナス要因になるが、自殺率を逆に低くする要因になっている可能性があると出ています。安楽死を行う回数が多いほど、うつ病になるリスクは高くなるけど、自殺をする確率は低くなるということです。しかし、同じ調査において、経済的な理由による安楽死が多く行われる低所得層の地域で働く獣医師の自殺率の方が高いと出ています。

獣医師や獣医学生のうつ病や自殺リスクが高いことを受けて、アメリカやイギリスなどでは、ソーシャルワーカーや心理カウンセラーなどのメンタルヘルス(精神保健)の専門家が、大学の獣医学部や動物病院、獣医師会などと連携して、獣医学生や獣医師にカウンセリングなどのサポートを行う取り組みが増えてきています。

イギリスでは、全ての獣医学部でカウンセリングサービスがあり、また獣医学生は精神的な問題があっても専門家ではなく友人や同僚に救いを求める傾向にあることから、ピアサポート(学生同士でお互いに助け合う)制度を始めているそうです。また、獣医師が24時間いつでも電話やメールで相談でき、話を聞いてもらったり、相談機関に照会してもらえるサービスも全国で行われています。

今回のサミットやワークショップでは、獣医師や他の動物病院スタッフが、患者さんや飼い主さんのサポートすることで、自分が崩れてしまわないように、組織だったサポート体制づくりについてや、それぞれの獣医師などが日々の生活の中で注意すること、行えるエクササイズなどの紹介もありました。これらについては、またの機会に。。。。

ネコのフィラリア症?

2015年08月 ゆきこ先生

ついに熊本でも梅雨が明け、本格的な夏がやってきました。

病院では、わんちゃんのフィラリア予防をはじめとした春から初夏にかけての予防シーズンを終え、ようやく少し落ち着いてきました。

今年の予防をうっかり忘れていたという方は急いでご来院ください。

さてそのフィラリア症、ワンちゃんを飼っている方にはその恐ろしさを重々承知して頂いていると思いますが、今回はネコのフィラリア症の話をしようと思います。

フィラリア症を起こすフィラリアという寄生虫は従来イヌの心臓に寄生して問題となるという認識が広く一般的でしたが、近年調べてみると、ネコでもフィラリアの寄生率が意外と高く、問題となっていることが明らかになってきました。

フィラリアには宿主特異性というのがあり、本来の宿主(寄生する動物)はイヌなのでネコに感染する確率はイヌと比べると低く、またネコのフィラリア症は特徴的な症状が出にくく確立された診断法もないため、今までなかなか発見されてきませんでした。

ですがZoetis Japanの調査の結果、ネコの10匹に1匹がフィラリアに感染しており、また感染例のうち39%が全く外に出ないネコだったと報告されています。
※福岡では、蚊は少ないと思われるマンションの30階の部屋で飼育されているネコで感染した例もあるそうです。

ネコのフィラリア症は呼吸困難を起こし突然死することもある、非常に怖い病気で、原因不明の呼吸器症状を起こして亡くなったネコや、もしくは何の徴候もないままに突然亡くなったネコの病理解剖をして初めて、フィラリアが原因だったと分かる例も少なくありません。

またネコのフィラリア症は治療法も確立されておらず、感染していることが分かっても、新たな感染を予防しながら対症療法を行って様子を見るしかありません。 そういったことから、ネコのフィラリア予防も必要ではないかと言われるようになってきています。

今年から院内でポスターによりお知らせしたところ、問い合わせの声が多く、実際に予防を始められた方がたくさんいらっしゃいました。もしこれを読んで、ネコのフィラリア予防について知りたいという方がおられましたら、まずは病院スタッフにお尋ねください。

テネシー研修 ②:獣医療ソーシャルワーク研修

2015年07月 よりさん

こんにちは。暑くなってきましたね。事務を担当しているより子です。

先月は、私が4月にテネシーで参加した獣医療ソーシャルワークプログラムの動物介在介入のワークショップについてお話させていただきました。今回のワークショップは2日間だったのですが、私が遥々日本からテネシー大学まで来たということで、特別にテネシー大学付属動物病院で獣医療ソーシャルワーカーの下について2日間の研修をさせていただきました。 そのことについて少し書いてみたいと思います。

テネシー大学付属動物病院には、100名以上の研修医やインターンを含む獣医師が勤務しており、獣医療ソーシャルワークプログラムのディレクターでもあるストランド教授と臨床ソーシャルワーカーのセリーナさんの2名がソーシャルワークスタッフとして働いています。私は主にセリーナさんの仕事を見学させていただきました。

テネシー大学付属動物病院では、飼い主さんが治療や安楽死などの難しい決断をしなければならない時に、必要に応じてソーシャルワーカーのセリーナさんがサポートに入ります。ソーシャルワーカーは、治療や安楽死についての選択肢を飼い主さんの経済状況や生活環境、人生設計などの要因をも含めて飼い主さんと一緒に考え、飼い主さんが本人やペットにとってベストな選択ができるようにサポートします。また、飼い主さんと獣医師との間のコミュニケーションや家族間での話し合いを円滑にするサポートを行ったり、子ども達にペットの死について説明をすることもあります。さらにペットが亡くなった後には、個別あるいは家族のグリーフ・カウンセリングやグループでのペットロスカウンセリングなどを行うなど、飼い主さんの心のケアを行っていくことがソーシャルワーカーの主な仕事になっていました。

大学病院の数ある施設の中で私が一番印象に残ったのが、ファミリールームです。ファミリールームは、10畳ほどの落ち着いた雰囲気の部屋で、ソファーやロッキングチェアが置いてあります。安楽死をする際に、飼い主さんが希望すれば、この部屋で、家族とペットがゆっくりと最後の時を過ごしながら安楽死を行います。この部屋を使って安楽死を行った飼い主さんたちからは「動物病院の機械的な雰囲気ではなく、自宅のような部屋で最後の家族の時間が持てたことがよかった。」、「安らかに眠るように逝くことができた」という声が多く聞こえるそうです。

大学病院では、月に二回ペットロスサポートグループを行っていました。私の研修期間にちょうど開催があったので、サポートグループについて研修を受けて実際に見学させていただきました。普段は10名ほどの参加者がいるそうなのですが、天気が悪いこともあり、私が見学させていただいた時には2名の参加者でした。1時間半の間、ソーシャルワーカーが進行役となり、参加者全員で亡くなったペットとの思い出や、現在感じている悲しみや不安など時々涙を流しながら話しあっていました。会の最後には「We Remember Them(私たちは彼らを覚えている)」という詩の朗読で終わりました。参加者の中には1回の参加で終わる方もいれば、何年も続けて通っている方、ペットの命日には参加する方などがいらっしゃるそうです。

他にも高度な設備の整った大学病院内の施設やノックスビル市内にある一般の動物病院、アニマルシェルターなどを見学させていただいたり、そこで獣医師や動物看護師さんと話しをさせていただいたり、セリーナさんが獣医学生に行っている飼い主さんに対してのコミュニケーションスキルの指導に立ち会わせていただいたり、ストランド教授と獣医療ソーシャルワークの学生たちと「高齢者とペット飼育の問題」について討論したりととても内容の濃い2日間を送らせていただきました。

この2日間の研修の中で一番感じたのは、アメリカでの安楽死の多さです。日本ではペットが不治の病にかかっても、高齢で体が動かなくなっても、最後まで飼い主さんが介護を施し看取ることが当たり前のように行われています。家族の一員であるペットに一日でも一分でも長く生きてもらって、その子とできるだけ長くの時間を過ごしたいという思いからだと思います。今では高齢犬の介護のための老犬ホームや在宅介護サービスもあるくらいです。

しかし、アメリカでは動物が病気にかかり回復の余地がないと獣医師が判断した場合に、すぐに安楽死をさせる飼い主さんが多いようです。多くのアメリカ人は病気の状態が一日でも長く続くことを、その子を苦しませる、不幸にしていると考えるようです。獣医師がもう治らないと告知してから安楽死を行うまでの期間は数日、早い場合は当日だったりするそうです。大学病院の獣医師から話を聞くと、なかなか安楽死を決心できない飼い主さんがいると、動物が可哀想に思え、精神的に苦しいとのことでした。

また、アメリカの獣医療費は人間の医療費と同様で高額であり、飼い主さんの経済的な理由より安楽死を選ぶことも少なくないようです。獣医療費も動物病院や獣医師によって様々ですし、経済的余裕のない飼い主さんには、資金援助制度も存在します。しかし、資金援助制度を利用するにも制限が多く、また申請も難しいらしく、実際に利用できる飼い主さんやペットたちは少ないそうです。経済的な理由での安楽死は動物や飼い主さんにとってはもちろんのこと、獣医師にとってもとても辛いことだと話されていました。

ある獣医師さんに話しを聞いたところ、安楽死に対してはあまりにも多すぎて良くも悪くも慣れてくるが、ある日一日に6頭の安楽死を行った日にはかなり精神的に落ち込み、ソーシャルワーカーのお世話になったとのことでした。アメリカの獣医師の自殺率は人間の医者に比べて2倍、一般の人に比べて4倍との信じられないような調査結果がでています。死と向き合う機会が多いことが自殺率の高い要因の一つではないかと感じました。

動物の死に接する機会が日本よりも頻繁にあるように思えたアメリカテネシー大学の動物病院。「安らかに逝ってくれた」とは言いつつも、愛するペットの最後を飼い主が決めることの心の負担はかなり大きいと思います。また、死と頻繁に向き合わなければならない獣医師や動物看護師の心の負担も大きいと思います。だからこそ、個別カウンセリングやペットロスサポートグループなど、人間の支援のプロであるソーシャルワーカーを配置しての飼い主さんや獣医師、動物看護師へのサポート体制を整えているように思いました。日本でもこれから先このような視点がとても重要になるのではないかと思います。

テネシー研修 ①:動物介在介入ワークショップ

2015年06月 よりさん

こんにちは。事務を担当しているより子です。

私は現在アメリカのテネシー大学ソーシャルワーク学部が獣医学部と連携して行っている獣医療ソーシャルワークプログラムで勉強をしています。獣医療ソーシャルワークとは、動物のためのソーシャルワーク(社会福祉)ではなく、動物とかかわる人間のためのソーシャルワークです。安楽死やペットロスなど飼い主さんの心のケア、多頭飼育崩壊、アニマルセラピー、関連性が強いとされている動物と人間への虐待、獣医師や看護師さんの心のケアなど、動物を飼う中で起こってくる人間の問題に対してサポートなどの取り組みをします。現在(人間&動物の)高齢化が進む日本では、病気や入院、施設への入居などの理由で今まで大切に飼っていた犬さんや猫さんが飼えなくなりどうしようもなくなる。。。。なんてこともよく耳にしますね。これも獣医療ソーシャルワークが取り組むべき問題です。

先月、この獣医療ソーシャルワークプログラムの一環として、熊本でも盛んにおこなわれている高齢者や障害のある方と動物のふれあい活動やアニマルセラピーなどの動物介在介入(Animal Assisted Intervention, AAI)のワークショップに参加するためにテネシー大学まで行ってきました。全米から18名の修士号以上を持つソーシャルワーカーが集まり、ペットパートナーズプログラムの創立者であるマウリン・マクナマラ教授とノースカロライナ大学の獣医療ソーシャルワークプログラム代表ジェニン・モガ氏によって講義、ディスカッション、グループワークなどが2日間行われました。

ワークショップ1日目は主にロジックモデルを使ったAAIのプログラム構築とAAIでパートナーとなる動物の選び方についてでした。AAIプログラムを開発する際に、まずはクライアントが抱えている問題を明確にし、どの様な変化を望むのかなどの目標を設定し、動物をプログラムに取り入れることがその目標達成のためになるのかを考えなければいけません。そして、クライアントが動物と一緒にどの様な活動をすることでどの様な結果を生むのかを考えていきます。動物を選ぶ際には、クライアントの目標やニーズ、プログラムの形態や場所、時間など、様々な状況を考えた上で、ニーズに応じた動物の必要条件を考え、その条件にあった動物の種やブリード、性格などを考慮して動物を選んでいきます。 ワークショップでは、実際にシェルターに行き、DV被害女性のグループセラピーや、トラウマを持つ児童のプログラム、問題行動のある少年達のプログラムを作るという設定で、動物たちの面接と選択をしてみました。犬、猫、ウサギを7匹ほど参加者全員で面接したのですが、それぞれの動物の行動を観察し、性格や性質、行動パターンなどの特徴を考えて、どの動物がどのプログラムに会っているのかを話し合いました。大人しいお利口な犬はエネルギーが有り余っている問題行動のある少年達には合わない、サポートグループには一か所にずっと座っている猫よりもいろんな人のところにご挨拶して回る犬の方が良いのではないかなどの意見がでていました。

2日目にはAAIを一緒に行うパートナーである動物の福祉、プログラムのエバリュエーションやリスクマネージメントなどを学びました。AAIを行うチームの一員として、動物にも人間と同じように職務の内容や期間、休みなどを記載した職務記述書や職務評価、退職後のプランを準備しておくこと、AAIからのストレスを最小限に抑えてあげること、そのためにも動物の出すサインを理解しておくことなどの話しがありました。認知行動療法やプレイセラピーなど様々な療法/介入は、資格を持ったソーシャルワーカーや心理士など医療・福祉事業者が行わなければならないのですが、AAIが進んでいるアメリカでも、比較的新しいAAIには、規制やガイドラインが未だ構築されていません。よって、医療や福祉の資格もなく、適切なトレーニングも受けていない人がAAIを行っているという問題があります。他にもAAIの効果を立証する質の高い調査結果がまだまだ数少ないことなどAAIを取り巻く問題について話し合いました。セミナーの最後には、福祉や医療事業者などの人間の専門家が、動物中心のAAIではなく、人間の個々の必要性に合わせたAAIを行い、AAIの質を高めていってほしいと話しがありました。現在私も発達障害をもつ子ども達と動物のふれあい活動に2匹の愛猫と参加しています。今回の研修で得たものを少しづつ今後の活動に生かしていきたいと思います。

2日間のAAIワークショップの後に、日本からわざわざテネシー大学まで来たということで、特別にテネシー大学付属動物病院で獣医療ソーシャルワーカーの下について2日間の研修をさせていただきました。次回はその時のことについてお話したいと思います。

年を取ったら手術はできない?

2015年04月 まさと先生

こんにちは、副院長のまさとです。
久しぶりのメッセージです。
ずいぶん暖かくなってきましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか?
この季節、ゆきこ先生を含め当院には花粉症のスタッフが数人いるので、見てて本当に同情します、ただ同情するだけです笑

さて、今回は「年をとったら手術はできない?」と題して少しお話したいと思います。
私自身、元々、研究や大学での2次診療に携わり、また帰熊してからも学会や勉強会で発表をしてきたため、最近、当院に重症例の転院、紹介が増えてきました。

初診の飼い主様に対してまず一番多くの時間を割くのが、そのワンちゃん、ネコちゃんの食べてきたものや寝ている場所などの飼育環境や避妊、去勢や妊娠出産などのライフイベントなどこれまで生きてきた軌跡や治療歴をなるべく詳しく聴取することです。

そこで、よく、「この子はもう高齢なので手術はできないと言われました」というフレーズを飼い主様からお聞きします。

確かに、漠然と捉えれば、高齢=麻酔が怖い=手術できないというのは普通の思考だと思います。
もちろん、心臓が悪かったり、腎臓、肝臓が悪いなどの基礎疾患が重度で麻酔が難しい症例もいます。
ただ、そこで飼い主様にお話しすることは、高齢=麻酔が怖いではなく、相対的に高齢の子は基礎疾患があることが多いですが、基礎疾患の有無や心臓や内臓の機能さえしっかりしていれば、若い子と変わらずに安全に麻酔ができる可能性が高いことをお伝えしています。高齢だからとあきらめる前に、その動物の現在の状態を知るために全身状態の検査をお勧めしています。

また皮膚や内臓にできた腫瘍でそれが癌、悪性腫瘍であっても転移がなければ、一回の手術で取り除ける(完治する)可能性があるため、もし基礎疾患があっても、麻酔のリスクと手術により得られるメリットを天秤にかけて手術をしたほうがメリット(飼い主様、動物双方にとって)が高い場合は、リスク説明をしたうえで、手術をお勧めすることもあります。

もちろん、基礎疾患によっては麻酔のリスクが非常に高い症例もおり、個人的にも手術したくない症例も多いですが、ただ癌の場合、その手術をやらなければ、その癌によって確実に死ぬということも多いため、飼い主様にとっても非常に難しい選択になることもあります。しかし、病気の予後の情報もなにもない状態で、ただ高齢だからという理由で手術を始めから除外され、本来もっと生きられるはずの動物も少なからずいると思われます。
以前の病院で心臓が悪いと言われたという飼い主様が多いのですが、実際に心臓のどこがどれくらい悪くて、どういう疾患名なのかということを把握されていない場合も多く見受けられます。そのような場合は当院ではもしその子が高齢で麻酔を考えるのであれば、心電図やカラードップラー法により心臓超音波検査を実施しています。

以前の私のコメントにも書いたのですが、まずはその動物の病気や全身の状態を知ることが非常に大事だと思います。 もちろん、高齢で麻酔をかけたらそれだけで高確率で命の危険があると判断した場合は、僕は飼い主様がどういわれようと麻酔はかけません。個人的にも、病気を治すために手術をしたのに、その手術行為が寿命を縮めるようなことは絶対にあってはならないと思います。一番大事なことはその見極めだと思いますし、今後ともその判断をより正確なものにするために日々勉強していきたいと思っています。

今回のお話は、当院にきたら高齢でも手術ができますよ!という内容ではありませんので悪しからずです 汗。今後、もしご自身の飼われている動物が不幸にも重い病気にかかった場合、まずはどういう病気(確定診断、治療方法、予後)により、どのような状態(転移の有無、重症度、循環、内臓の機能)になっているのかを知ることから始めてみてください。そして、いくら高齢だからといってもけっしてあきらめないで、まずは正しい情報収集をすることをお勧めいたします。

混合ワクチンについて

2015年01月 かずえちゃん

明けましておめでとうございます。皆様のおかげで、去年1年無事に過ごすことができ、また新たな年を迎えることができました。今年もよろしくお願いします。

さて、今回はワンちゃんネコちゃんの混合ワクチンについて紹介したいと思います。 混合ワクチンは、一度感染すると治療が困難な病気を予防するためのものです。中には高い確率で死に至るものもあります。

当院はワンちゃんの場合、5種混合ワクチンと9種混合ワクチンを扱っています。犬ジステンパー、犬伝染性肝炎、犬伝染性咽頭気管炎、犬パラインフルエンザ、犬パルボウイルス感染症、犬コロナウイルス感染症、犬レプトスピラ感染症という伝染病を予防することができます。(5種と9種で予防できる病気の数は変わります。)

城南町では、ネズミなどの排泄物やその排泄物を経由して汚染された水などから感染してしまうレプトスピラにかかる可能性があるらしく、その疑いがある子が数頭来院したことがあります。人間にも感染することがあり、恐ろしい病気です。

次にネコちゃんの場合、3種混合ワクチン、6種混合ワクチン、7種混合ワクチンを扱っています。猫ウイルス性鼻気管炎、猫カリシウイルス感染症、猫汎白血球減少症、猫白血病ウイルス感染症、猫クラミジア感染症という伝染病を予防することができます。(3種と6種と7種で予防できる病気の数は変わります。)

鼻気管炎やカリシウイルスにかかると、くしゃみや鼻水、目ヤニなどの風邪のような症状がみられます。特に、外へ出る機会のあるネコちゃんは野良の子達から病気をもらって、何度も同じ症状で来院されることがあります。

混合ワクチンを接種していることで(全ての子ではないですが)動物への負担が少なくなります。また経済的にも負担が少なくて済むこともあります。まだ接種されていない方は、せっかく予防ができるものですので、大切な家族の一員であるワンちゃんネコちゃんを病気から守ってあげてはどうでしょうか?

普通を知る 2

2014年09月 ゆきこ先生

すっかり秋めいてきました。季節の変わり目は体調を崩しやすいのでご注意を!

今月のフォトコーナーを見て頂いたらわかるようにこの8月は何故か小鳥の患者さんが急増し、たくさんの小鳥さん達が怪我や病気、健康診断で来院されました。かわいい鳥さんとの出会いや再会を喜んだ一方で、診察と入院していた小鳥のお世話でヘトヘトになった夏でした。

先月のスタッフページでまさと先生が、ペットの「普通を知る」ということがどれほど大事かの話をしていましたが、これは小鳥にとってとても大事なことです。

一度鳥を飼われことのある方なら知っている正常の状態や行動でも、初めて飼う方にとっては不安になるものも少なくありません。しかも鳥は「鳥」というくくりでみんな全部同じというわけではなく、オカメインコならオカメインコ特有の、コザクラインコならコザクラインコ特有の鳥種によって異なる行動様式もあります。

この春~夏は初めて鳥を飼うという方の来院も多かったので、正常を異常と勘違いしてのご相談も多くありましたが、逆に普通と思って見ていたらみるみる状態が悪くなったというケースもありました。小鳥の場合は最悪の場合、半日様子を見ている間に死ぬこともあります。そういった悲しい事態を防ぐ方法の一つが、普段から鳥をよく観察してその子にとっての正常を知っておくことです。手によく慣れた子であればスキンシップをとって体をあちこち触っておくことでも、体の状態をよりよく知ることができます。

もちろんご自分でよくわからない時には、動物病院に相談してもらえばと思います。ですが普段から一緒にいるご家族がその子の異常に気づければ、一番の病気の早期発見につながります。飼い主さんがその子にとって一番の“主治医”になれるよう、普段からたくさんコミュニケーションをとってよく見ておいてあげて下さい。

普通を知る

2014年08月 まさと先生

こんにちは、副院長のまさとです。
まぁ暑い!僕らはほぼ室内での仕事に関わらず暑さを感じているのですから、営業の方や外で仕事をされている方たちは地獄ですよね。本当にお疲れ様です。

さて、今回の題である「普通を知る」ですが、これだけだとなんのこっちゃわかりませんよね。 今回僕が伝えたい「普通を知る」というのは言い換えると、‘動物の正常の状態を知る’ということです。

病気の動物の治療をするということは、その子の正常の状態からいかに離れているかを知り、そこを正常な状態に近づけてあげることが治療ということだと思っています。 ですので健康な動物の状態についていかに深く知っているかというのは獣医師としての力量に直接関わってくる問題であり、また飼い主様にとっても病気の早期発見をするという意味でいかに重要かがわかります。

やはりペットの病気というのは人間に比べると早期発見が難しいです。 動物のちょっとした行動の変化、体の状態の変化を感じ取ってあげることでその発見は格段に早くなると思います。

診察を受ける場合は、どんな些細なことでも構いませんので獣医師に教えてください。それが病気発見の大きな手助けになるかもしれません。 そして正常の状態を知るという意味でもホームドクターでの定期的な血液検査や画像検査を受けられることをお勧めします。

状態が悪いときに検査をするというのは普通だと思いますが、健康なときの検査データと比較することで確定診断の早道になりますし、元々悪いのか今悪くなったのかということ判断できるようになります。

病院に来て体を全然触らしてくれない子がいます。 飼い主さんも自宅でも触れないという子もいます。 神経質、臆病な子はやはり病気の発見がかなり遅れる傾向にあり本当に悲しいことだと思います。 こういう観点からもしつけ、社会化をあきらめずに頑張ってみてください。

まぁ今回の話を端的に言うと、普段から動物といっぱい触れ合って、観察して、口の中からお尻の穴まで触りまくることが大事ですということです 笑
そして直感的にでもなんかいつもと違うと思ったら迷わず、動物病院に相談してみてください。


触れることの大切さ

2014年03月 ゆかちゃん

こんにちは。まだまだ寒い日々が続いていますが皆様体調など大丈夫でしょうか。
春らしい気候になるまでもう少しの我慢ですね。

先日、当院のFacebookにも載っていましたが、病院スタッフ全員で動物行動学・臨床行動学を専門とされている村田香織先生の講習会に行ってきました。学生時代より行動学やしつけに関して実践が難しく苦手な部分があったのですが、わかりやすく、初めて知る事もあり、多くのことを学べた貴重な時間となりました。

その中で印象に残ったことがペットへ触れる事の大切さでした。
ペットの口や手足の先、体中を触ることはできますか?頭や背中などは触れていても他の場所はなかなか難しい方もいるかもしれません。私は犬を飼っていますが手足をふれるのは=爪切りと認識するのかあまり好きではないみたいです。 もともと動物は足先など隅々まで触れる事を嫌がりますので、慣れていないこなどは大変ですよね。

動物は話す事ができないので、触れることでスキンシップだけでなく、日々のケアや病気の早期発見もできる可能性もあると聴き、愛するペットが長く飼い主さん共々幸せに暮らしていくためにはとても大切な事だと思いました。

無理やりは禁物ですが、ごほうびなど使い、時間をかけてストレスなく触れる時間を作ってみてください。

自分の犬にもたくさん触れて嫌な事と思わないよう色々工夫してみようと思いました。また飼い主の方々にもよいアドバイスができるようもっと学んでいきたいと思います。


ダイエット

2014年02月 ゆきこ先生

もう早いことに2月になりましたが、あけましておめでとうございます。ゆきこです。
年末年始の暴飲暴食により約3kg太った私は、同じく太ったまさと先生と一緒に目下ダイエット中です。
犬猫に健康管理のための体重指導をする立場としては、このまま太り続けるわけにはいきません。

少しずつ何キロ減量するかを設定し、2人ともそれを達成したら達成祝いとして好きなだけ飲み食いする、という、3歩進んで2歩下がりながらコツコツがんばる計画です。犬猫にはお勧めできませんし、人間のダイエット法としてもどうかと思います。でもおかげさまで今のところ飽きずに順調に続けることができてます。

自分でやってみた実感ですが、ダイエットにはやはり食事管理が必須のようですね。
過去に運動だけで何とかしようとしたことがありますが、全然痩せませんでした(長く続ければ違うのかもしれませんが‥)。しかも体重が増えている時に普段やりなれない運動を勢い込んでやると、体を痛めて動けなくなることもあり逆効果です。

ここで、とあるネコちゃんが食餌管理によりダイエットに成功した例を紹介します。
かつてフードは置きエサで、いつでも食べたい時に食べることができる環境にいたリンちゃんはBCS(ボディコンディションスコア)5のいわゆる「肥満ネコ」でした。そこでフードの1回量を決めて朝晩の2回にし、おやつは特別な時だけ、ときちんと管理した結果、順調に痩せて今ではBCS3の理想体重のナイスバディに変貌しました。
太っていた時の名残でお腹の皮膚がたるんでいるため、パッと見スマートには見えませんが‥。  

肥満は万病の元。糖尿病や心臓病、尿路結石など、あらゆる病気を誘発することもあります。これを読んでくれている飼い主さんも‥とは言いません。愛犬・愛猫さんもぜひ一緒にダイエットいかがでしょうか?  

*BCS(ボディコンディションスコア):体型を5段階で評価する指数。BCS3が理想体重で数字が大きくなるほど肥満。詳しくはスタッフにお尋ねください。


謹賀新年、ワンニャンドックのすすめ

2014年01月 まさと先生

皆様、あけましておめでとうございます。 副院長のまさとです。
今年も期待を裏切ることなく、寒い正月となりましたね。
今年も城南さくま動物病院は変わることなく、誠心誠意、飼い主様、動物達と向き合い、モットーである動物の命に‘添う’獣医療を心掛けていきます。

さて、今年一発目のスタッフからのコメントですが、今回は当院で実施しているワンニャンドックについて紹介したいと思います。
当院のワンニャンドックでは、全身のスクリーニング検査として、身体検査、全血球計算、血液生化学検査、胸腹部レントゲン検査を基本コースに、オプションとして腹部超音波検査、心臓超音波検査、また場合によっては尿検査、糞便検査、心電図検査、眼検査を実施しています。基本的には症状のない健康な子を対象にしていますが、病気の子でも全部の検査を単独で実施すると高額になる場合はドックのほうをする場合もあります。

動物は症状を訴えることが少ないため人間よりも病気の発見が遅れる傾向があります。病気の早期発見のためにも、私個人として6歳超えたら一度このワンニャンドックをお勧めしています。当院では3年前から実施しておりますが、健康と思われたワンニャンでも検査してみたら、症状が出にくい脾臓や盲腸に小さい腫瘍が見つかったり、聴診では検出できない心疾患が見つかったり、内分泌の病気が見つかったりと治療が必要な疾患が早期発見できることもしばしばです。

ワンニャンドック、まだまだ獣医療ではなじみが少ないかもしれませんが、なにか昔よりも元気がない気がする、食欲のむらがあるなど少しでも気になることがある場合や元気があっても中齢から高齢にさしかかかっているワンニャンなど、一度相談だけでもしてみませんか?

獣医学博士

2013年04月 まさと先生

昨年のコメントにも書いたのですが、だいぶ暖かくなり、熊本では貴重な過ごしやすい日が続いていますね。
桜もびっくりして一気に満開になったようで、散るのも早そうな予感がします。
また、花粉症の方には大変厳しい毎日が続いてるのではないでしょうか?僕は大丈夫ですが、ゆきこ先生やうちのスタッフを見ると本当に同情します・・・。

さて、私事ですが、このたび山口大学大学院連合獣医学研究科を修了し、博士論文が認められ、無事に獣医学博士の学位を取得することができました。

僕が博士取得を目指した理由として、博士課程に入って将来的に研究者になりたい!ということではなく、大学病院で臨床経験をもっと積みたいという博士課程の学生としてはやや不謹慎な理由でした。
実家が動物病院だったこともあり、将来的には1次診療に従事すると漠然と考えていましたが、その前に確定診断に至る論理的アプローチの方法、医学的問題に対する論理的思考方法をもう少し学びたいという気持ちがありました(ちょっとかっこつけて言うと)。
博士課程在学中は国内の学会のみならず、海外の学会にも積極的に参加させてもらい(発表前の準備は苦でしたが・・・)、そこで最新の知見や情熱的な発表、人との出会いがあり、これらの経験は僕のこれからの人生において大きな財産となると思います。

前院長であった父が何の前触れもなく急死したときは一時はこのまま博士課程を続けるのは無理ではないかと思いました。そのとき、家族や病院のスタッフ、研究室の先生方がしっかりとサポートしてくれて、なんとかここまでこれました。また急に熊本に戻ってきてからのこの2年間、金曜、土曜日の診療に出られないことも多く、飼い主様にも大変なご迷惑をおかけしたことと思います。
この恩に報いるためにも、博士課程中に学んだ病気の確定診断に至る論理的プロセス、また以前もコメントしたように「獣医師は獣医師であると同時に科学者であれ」という言葉を座右の銘にし、今後も日本の臨床獣医学向上の一端になれるように日々精進していきたいと思います。

ノミ・ダニの予防

2012年09月01日 ゆかちゃん

こんにちは。熊本ならではの蒸し暑い日々がまだまだ続いていますが、飼い主さんはじめ、ワンちゃん、ネコちゃんの体調はいかがですか?

先日、うちで飼っているワンコと散歩に行った時のこと。草むらに頭を突っ込んで、ニオイを嗅いでいたのですが、リードを引き戻すと、鼻先にダニがついてきました。すぐに払い落としましたが、ほんの数秒の間にダニがついていたので、びっくりしてしまいました。

暖かい季節は、ノミ、ダニの活動が盛んになります。ワンちゃん、ネコちゃんに飛びつこうと葉っぱの裏などに隠れて今か今かと待ち構えています。ノミ、ダニは咬んで血を吸うだけではなく、皮膚病や他の病気を引き起こしたり、人にも寄生する事があります。

個体差はありますが、ノミに咬まれると咬まれた場所だけではなく、全身的なアレルギーを起こすことがあり、背中や腰周りなどが脱毛したり赤くなったりします。さらに痒みでなめたり、咬んだりしてひどい子は化膿してしまいます。また、グルーミングなどの時にノミを食べてしまうと、「爪実条虫」という人にも感染することのある寄生虫に感染してしまう事があります。よくお尻周りやうんちに白い米粒のようなものがついていたりするのですが、多くいると腸に炎症を起こしてしまうことがあります。

ダニも吸血されることで痒みや炎症になるだけでなく、犬の「バベシア症」という赤血球に寄生する原虫に感染することがあります。バベシア症は感染すると死に至ることも多い恐ろしい病気です。

よく「室内で飼っていても予防した方がいいですか?」と聞かれる事が多いのですが、散歩など行けば付いてしまいますし、人が持ち帰ってしまう事もあります。部屋は温かいのでカーペットなどにそのまま潜んで1年中成長します。

私もノミに咬まれた時、蚊よりも痒くて、さらに長期間痒みが続き、本当に苦労したのを覚えています。体中をノミがはっていたり、ダニに血を吸われたり、同じ立場だったら気持ち悪いですよね。また、しきりに痒がっているワンちゃん、ネコちゃんをみる飼い主さんも辛いと思います。

当院では、1ヶ月に1回つけるタイプと飲むタイプの予防薬を扱っています。感染して症状が出てからではなく、飼い主さんとワンちゃん、ネコちゃんが常に快適に過ごせるよう、ぜひ予防をおすすめします。

お出かけと車酔い

2012年08月01日 まさよちゃん

毎日暑い日が続いていますが、みなさんいかがお過ごしでしょうか。
生まれも育ちも熊本の私ですが、毎年のこの暑さにはウンザリしてしまいます。 夜は寝苦しく、日中も蒸し暑く、体力を消耗しがちですよね。
おいしいものをたくさん食べて、夏バテせずにこの夏を乗り切りたいと思います!

さて、夏といえば海に山にレジャーの季節ですね。また、遠方に帰省される方もいらっしゃるかと思います。 ワンちゃんを飼っていらっしゃる方で、一緒にお出かけされる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
みなさんは、ワンちゃんとのお出かけやドライブは快適ですか? 「乗り物に乗ると、ワンちゃんが酔って吐いてしまう・・・」そんなお悩みを時々耳にします。
乗り物酔いは本当に辛いものです。私も小さい頃から、度々乗り物酔いに苦しんでいたのでよくわかります 出掛けたい気持ちはあるのですが、乗り物に乗るとすぐに気持ちが悪くなってしまい、気分が落ち込みます。ですから、今では酔い止めの薬が手離せません。

みなさんのワンちゃんはどうでしょうか? 車などに乗せたときにこのようなサインはありませんか?

  ・口をあけてしきりにあくびをする。
  ・そわそわして落ち着きがなくなる。
  ・よだれを垂らす。
  ・心細げに鳴く。     など・・・。

これらは乗り物酔いのサインであり、ワンちゃんを不安にさせ、さらに状態を悪化させます。そして最終的には嘔吐してしまうこともあるのです。 これではせっかくのお出掛けが、飼い主さんにとってもワンちゃんにとっても、とても辛いですよね。
もし、このようなことでお悩みの方は、乗り物酔いの嘔吐を予防できるお薬がありますので、ぜひお気軽にご相談ください。
嘔吐が辛いのはワンちゃんも人間も同じです。みなさんがワンちゃんとの快適なお出掛けができるように少しでもお手伝いできればと思います。
また私たちが運転する際にも、新鮮な空気・快適な温度・安全な運転・適度な休憩を心がけましょう。

熊本の夏と熱中症について

2012年06月01日 まさと先生

みなさま、こんにちは。熊本の大変貴重な過ごしやすい日々が続いていますが、いかがお過ごしでしょうか?もう少しで、あのジメジメして蒸し暑い熊本の夏がやってくると思うと、今から億劫です・・・。

さて、久々のコメントですが、今回は暑くてジメジメした気候とコンパニオンアニマルについて少し述べたいと思います。

夏に多い病気といえば膿皮症や外耳炎などの皮膚病がありますが、それよりも怖い病気に熱中症が挙げられます。熱中症の定義として、「暑熱環境にさらされる、あるいは運動などによって、体の中でたくさんの熱を作るような条件下にあって発症し、体温を維持するための生理的な反応により生じた失調から、全身の臓器の機能不全にいたるまでの、連続的な病態」とされています・・・はて、むずかしくよくわかりませんよね。わかりやすく言うと、暑い環境によって高体温になり、それにより通常の内臓の機能が保てず、全身の臓器(内臓)が壊れていく状態のことです。罹患した動物の実に50%が死に至るという怖いデータもでています。

夏場、人間でも熱中症で、子供やお年寄りが亡くなったという痛ましいニュースが頻繁に流れてきますよね。動物、とくにワンちゃんは人間に比べて、体も小さい子が多く、さらに体温を調節するために水分を排出するエクリン腺がパットにしかないため、汗をかいて体温を調節することができず、パンティングにより熱を放出します。ようするにヒトよりもさらに高温下における体温調節が苦手なのです。熱中症の原因として①閉じ切った室内に長時間エアコンなしの状態で放置、②夏場に日当たりのよい場所で飼育されている、③暑い時期の過度の運動、などがよく挙げられます。また、生まれつき気道が狭いブルドッグ、シー・ズー、パグなどの短頭種や、長毛種や大型犬、原産国が寒い地方の犬も熱中症に罹患しやすい犬種と報告されているので、さらに注意が必要です。

これから、熊本は例年通りどんどん蒸し暑くなっていくと思われますが、もう一度、自宅のペットの生活環境を考え直してみてはいかがでしょうか?

余談ですが、僕の体温冷却方法は主に仕事終わりのビールです、夏場のビアガーデン、今から待ち遠しい今日このごろであります。

体重管理

2012年01月01日 あいちゃん

あけましておめでとうございます。
とうとう2012年になりました。早いですよね。
さて、1月といえばパッと出てきたのが「太る」という単語。
単純に1月は実家に帰ってゴロゴロしてお餅食べて太るというイメージですが・・

ワンちゃんネコちゃんも最近ぽっちゃりのこが増えてきた気がします
ずっと一緒にいると気付かず徐々にぽっちゃりになっていないでしょうか。冬になると運動量が減って体重が増えてしまいがちなので注意です。ワンちゃんだとくびれがなくなっていませんか?ネコちゃんだと下腹がタプンタプンたれていませんか?もしかしたら1kg体重が増えた!!というワンちゃんネコちゃんもいるかもしれません。

病院で体重増えましたねというときに将来足腰心臓に負担がかかりますよというのはよく聞かれると思いますが実際どのように考えていらっしゃるでしょうか。  

実は太っていると予想以上に体に負担がかかっているんです。どうしても人と同じように考えてしまいがちですがワンちゃんネコちゃん体は太っても手足は変わらないんです。支える力は変わらないけれど手足や腰の負担は増えていきます。特にチワワ、プードルは簡単に折れそうなほど手足が細く、お盆の、茄子に楊枝をさして作った牛のような状態になってしまいます。

次に心臓なんですが、単純です。体の隅々まで血液を届けなければいけないので、太った分心臓の仕事が増えてしまうという意味で負担が増えてしまいます。  

「体重管理」意外と大切なんですが簡単なようで難しいんですよね。  単純にフードやおやつを減らしてあげればいいのですが、そうしたときにかわいそうになってしまったり、他の家族におねだりしたりするんです。根競べになりますが大切です。 もし、ダイエットがうまくいかない場合はご相談ください。そしてがんばりましょう。

予防接種

2011年12月1日 ゆかちゃん

こんちには。2011年も残すところ後1ヶ月になりましたね。今年も病院の入口に大きなクリスマスツリーを皆で飾りました。いよいよ年末という感じです。

さて、この時期、来院理由で多くなってくるのが、ワクチン接種です。1年に1回、健康診断もかねて来院されます。

ワクチンは恐ろしい伝染病から、愛犬、愛猫を守る大切な予防の1つです。当院では犬が5種、9種、猫が3種、6種、7種、FIV(猫エイズ)の病気を予防できるワクチンを扱っています。

ワンちゃんの病気の中でも、パルボウイルス感染症、犬ジステンパーなどは、子犬がかかってしまうと、非常に高い確率で亡くなってしまうとても怖い病気です。特にパルボウイルスは伝染力がとても強く、嘔吐や血様の下痢などの症状が起こり、短期間で死に至ることもあります。

また9種に入っているレプトスピラ感染症は人畜共通感染症です。都会ではあまり見られないそうですが、この辺りなど自然が多く、田んぼなどある所だと、ネズミからの媒介で感染することがあります。死亡してしまうこともあるので、予防されることをおすすめします。

ねこちゃんの3種からの猫ウイルス性鼻気管炎やカリシウイルス感染症はよく「ネコカゼ」と言われるものです。くしゃみや鼻水、結膜炎など典型的なカゼ症状が見られます。外に出る子だと本当に多い病気の一つです。猫ちゃんの場合、外に出る子も多く、他のネコからもらってしまうと、次はその子が感染源となってしまうので、しっかり予防することが大切です。

わんちゃん、ねこちゃんどちらも2ヶ月齢から健康なこは接種できます。初めは1回打って1ヶ月後接種の2回で、後は1年後に1回追加接種になります。(FIVのみ初回が異なります。)

予防できる病気はしっかり予防して、家族の一員として健康に長生き出来ることを願っています。

1つ、この時期忘れてはいけないわんちゃんのフィラリア予防!
熊本では12月まで予防が必要です。忘れずしっかり予防薬は飲ませましょう!

心不全について

2011年10月1日 ゆきこ先生

先日動物愛護フェスティバルが行われました。当院からも2頭のわんちゃんと3頭のねこちゃんが長寿犬猫として表彰され、表彰式には飼い主さん達も全員来てくださってとても楽しい時間を持つことができました。

獣医療の進歩により、わんちゃんねこちゃんも長生きできるようになりました。でも同時に加齢性の病気に悩まされることも多くなりました。今日はその中のひとつ、心不全の話をしたいと思います。

最近何だか元気がない、散歩に行きたがらなくなった、食欲が減ってきた、お腹が張ってきた、咳がでる… 心不全はそんな症状で発見されることがあります。 予防接種か何かでたまたま病院に来るまで気づかれないこともあります。

心臓が悪いのに治療をしないでほっておくと、わんちゃんはちょっと動くだけですぐしんどくなったり、さっき言ったような症状が出てきたりします。悪化すると、急に失神したり突然死することもあります。

加齢性に悪くなった心臓を直してあげることはできません。でも薬で症状を軽くしてあげたり、進行を遅くしてあげることはできます。 薬を始めることで元気になり、一見健康な頃と同じくらいにまで回復できる子もいます。 当院にもそうやって来院し、内服を続けているわんちゃんがたくさんいます。

ただ薬は心臓を元通りに治してくれるわけではなく、あくまで心臓の動きを助けてくれるものなので、ずっと飲み続ける必要があります。 でも残念ながら、薬を飲み始めて調子が良くなると薬をやめてしまう飼い主さんもいます。 それはとても危険なことです。 定期的に通院し毎日薬を飲み続けることは、わんちゃんにとっても飼い主さんにとっても大変なことかもしれません。 でもそうやって薬をやめてしまい、症状が逆戻りして取り返しのつかないことになってしまった子も今までに何頭もいました。

長寿犬として表彰されたハナちゃんもエスくんも心臓が悪いです。でもがんばって通院とお薬を続けて長生きしてくれています。 ハナちゃんとエスくんをはじめ、様々な病気で通院してくれているわんちゃんねこちゃんも、がんばって治療を続けてみんな長生きしてほしいものです。

EBMという考え方

2011年9月1日 まさと先生

今年も、去年同様に期待を裏切ることなく暑い日が続いてますね~。毎日、朝起きたら汗だくなんて方もいらっしゃるのではないでしょうか?僕はちなみに毎日です(笑) まず、久しぶりのホームページのコメントですので、誤字脱字はご勘弁くださいね。 今回は前回同様に僕が目指す獣医療について、少しお話したいと思います。

題名にあるEBMとはEvidence-Based Medicineの頭文字をとったもので、日本語に訳すと‘根拠に基づく医療’です。近年、獣医学領域でもこのEBMという考え方が徐々にですが浸透しつつあります。僕なりの解釈ですが、ここでいう根拠とは客観的事実、つまり身体検査であったり血液検査、レントゲン検査、超音波検査などの病院で行う様々な検査結果や、実際に医学論文などに掲載されている医学的に証明されている証拠のことです。 つまり、EBMとは、客観的な医学的証拠に基づき、証明されている方法で治療を進めていく診療方法です。

しかし、前述の話では、どんな症状でも血液検査であったり、画像検査であったり、まずは何が何でも全ての検査をしないとダメ!と聞こえるかもしれません。もちろん、どんなに軽い症状でも大きな病気が隠れているかもしれないので検査をするに越したことはないですが、動物は自分が何をされているのかわからない分、病院に来るだけでも怖がる子もいますし、様々な検査は動物に非常に大きな精神的、肉体的な負担を与えます。さらに飼い主様に大きな経済的な負担をかけてしまうこともあるでしょう。

僕が一番大事だと思うことは、獣医師が動物のいろいろな病気について、症状や危険因子、診断法、治療法、さらに予後までの知識をしっかりもって診療にあたることだと思います(僕もまだまだ日々勉強の身です・・・)。その知識や経験をもって、何でもかんでもまずは検査ではなく、動物の状態を良く把握し、確定診断に至る最小限、最短の検査を飼い主様によく説明、提示し、原因治療をEBMに基づいて進めていくことが大事だと思います。城南さくま動物病院はEBMをモットーに日々の診療を進めていきますので、病気のこと、生活習慣のことなど少しでも気になることや疑問点がありましたら気軽にどんどん質問してください。僕ら獣医師も質の良い医療を提供していくために日々、勉強していきたいと思います。


Jonan Sakuma Animal Hospital城南さくま動物病院

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