ワンちゃんネコちゃんの
命を守る混合ワクチン

ウィルス感染症は治療薬が少なく、命を落とすこともあります。完全室内飼いのワンちゃんや猫ちゃんでも毎年多くの子がウイルス感染症で来院しています。定期的なワクチン接種でワンちゃんや猫ちゃんを感染症から守ってあげましょう。

ウィルスに対する抵抗力をあげ、命に関わる感染症からワンちゃんや猫ちゃんを守る為に、重要なのがワクチンです。 混合ワクチンは一本の注射液の中に複数の種類の病気に対するワクチンが入った製剤のことです。

当院には ワンちゃんの混合ワクチンとして「10種混合ワクチン」と「6種混合ワクチン」が、猫ちゃんには「6種混合ワクチン」と「3種混合ワクチン」があります。

犬の混合ワクチンにより対策ができる病気

6種混合ワクチンでは上記の1から6の感染症を、10種混合ワクチンでは1から7の感染症を予防します。(レプトスピラは4型)

病名 主な症状 感染経路 特徴

ジステンパー

下痢・脳炎 飛沫感染 致死性

パルボウィルス

出血性下痢 感染便 致死性・ウィルス非常に強い

アデノウィルス2型

気管気管支炎 感染犬の分泌物 重度になると致死性

伝染性肝炎

肝炎 感染犬の分泌物 致死性

パラインフルエンザ

気管気管支炎 飛沫感染 子犬の咳・伝染力強い

コロナウィルス

下痢 便・嘔吐物 重度になると致死性

レプトスピラ感染症
(カニコーラ・イクテロヘモラジー
・グリッポチフォーサ ・ボモナ)

肝炎・腎炎 ネズミの尿・土壌・河川
田畑
人畜共通感染症 重症例で死亡率高い

猫の混合ワクチンにより対策ができる病気

3種混合ワクチンでは上記の1から3の感染症を、6種混合ワクチンでは1から5の感染症を予防します。(カリシウィルスは2株)

病名 主な症状 感染経路 特徴

ウィルス性鼻気管炎
(ヘルペスウィルス)

鼻気管炎・肺炎 飛沫感染 免疫力低下 伝染力強 重症化すると致死性

カリシウィルス感染症(2株)

鼻炎・結膜炎・ 舌炎 飛沫感染 伝染力強 強毒株は致死性

汎白血球減少症
(猫パルボウィルス)

脳奇形 出血性下痢 感染猫の分泌物 致死性 ウィルス非常に強い

白血病ウィルス感染症

免疫不全・腫瘍 感染猫の分泌物 母子感染 感染するとキャリアに 若齢で白血病
・リンパ腫

クラミジア病

結膜炎 飛沫感染 慢性化することあり

混合ワクチン接種の時期と間隔

基本的には生後2か月齢以降に、30日間隔で2回接種します。生後2か月齢未満で1回目の接種をしている子は、30日間隔で後2回(合計3回)接種します。その後は年1回の追加接種により免疫力を維持します。

「ワクチンを接種する頻度を減らしたい」、「ワクチンによりアレルギーが出てしまった」という方は、病気に対する免疫ができているかは採血をして行う「抗体検査」により確認することができますのでご相談ください。

狂犬病ワクチン

狂犬病は感染するとほとんど治療法がなく、発症するとしに至る恐ろしい病気で、人間や猫にも感染する可能性があります。なので、毎年の狂犬病ワクチン接種は狂犬病予防法により義務づけられており、接種義務違反は20万円以下の罰金に処せられます。毎年4月に県内の各会場で狂犬病ワクチンの集合注射が行われていますが、当院では集合注射の期間以外でも接種や手続きが可能です。

猫免疫不全ウィルス(猫エイズ)ワクチン

保護したなどで出生がはっきりしない猫ちゃんには、猫エイズ(猫免疫不全ウィルス)と猫白血病のウイルスに感染していないかを調べる検査をお勧めします。
採血をして10~15分程で終わる検査です。結果が陰性であれば、ワクチン接種で予防することができます。

猫免疫不全ウィルス (猫エイズ) の主な症状として

  • 急性期:発熱・下痢
  • 無症候キャリア期:無症状
  • エイズ関連症候群期: 慢性感染症・口内炎
  • 後天性免疫不全症候群期: 免疫不全・腫瘍

主にケンカなどによる咬傷から感染して、発症すると免疫低下による様々な症状が出ることが特徴ですが、発症しない期間(無症候期)が長い為症状を出さずに寿命を全うする場合もあります。
猫エイズのワクチンは、生後2ヶ月以上の猫ちゃんに2~3週間間隔で3回接種し、その後は1年ごとの追加接種により免疫を維持します。

生活環境に合わせて適切なワクチンを獣医師がご案内いたしますので、ご相談ください。