獣医師の藤原です。私は、家庭菜園が趣味ですので、4月5月は春植え夏野菜まっさかりで、ととてもワクワクする季節。お庭でワンちゃん猫ちゃんが日向ぼっこしたり、遊んでいる間の庭いじりもきっと楽しい時間かと思いますが、お庭に植物があるご家庭ならではの注意事項がありますので少しご紹介。

園芸薬品

メタアルデヒド:
ナメクジ駆除薬として昔からあり即効性も優れることから、新芽を食べるナメクジに対して使われている方も多いと思います。商品名としてはマイマイペレットやナメキールなどがそれに当たります。見かけは薬とわかるように強烈な色が付いていることが多いですが、このメタアルデヒドが甘味があるとのことで、庭にまいていたら、あるいは家に置いていて、猫ちゃんやワンちゃんが誤食してしまい中毒症状(ケイレン・昏睡・肺水腫)を起こすケースや死亡例が報告されています。代替品としてはリン酸第二鉄などが選択肢として挙げれます(商品名スラゴなど)いずれも直接経口摂取する前提の商品ではないので口に届かないところに置くもしくは撒くが望ましいです。

有機リン製剤:
商品名としてはマラソンやダイアジノンなど「ネキリムシ」「コガネムシ」「アブラムシ」など広い範囲の害虫駆除に適応があるため、春の植え付けや夏の害虫駆除など使用頻度も高い成分かと思います。こちらも摂取してしまうと、嘔吐や食欲不振、流涎、痙攣、縮瞳、血圧上昇などが認められることがあるため要注意です。

ホウ酸:
最近は別の薬品に変わっているものが多いですが、昔からあるゴキブリ団子に含まれている成分です。ゴキブリ団子はゴキブリに食べてもらえるようにおいしそうな臭いがするようにできているため、家の中でもどこに撒いたか分からなくなっていないか要注意です。成人であっても15gで死に至ることがあるため、ワンちゃん猫ちゃんは微量であっても食べないようにしてください。

お酢:
有機農法や無農薬栽培をされている方は使われたことがあるかもしれませんが、植物の活力剤や害虫忌避に効果が期待されているお酢ですが、酢の成分は匂いが強く希釈していてもワンちゃん猫ちゃんにとって害がなくとも鼻に刺激があるかもしれません。またニンニクやトウガラシを漬け込んで作る場合もありますが、その場合も同様です。

ハーブ野菜草花に関して

カモミール:
ジャーマンカモミールやローマンカモミールなどハーブティーにしたり花を楽しんだりされる方も多いと思います。特に猫において揮発した成分によりアレルギー症状を引き起こすことがあり、皮膚症状や出血しやすくなることがあります。

トマト:
いわずと知れた家庭菜園で人気の夏野菜ですが、実は茎と葉は犬猫にとっての毒性成分が含まれます。脇芽を摘んだ後のものをお住まいに放置すると摂食の危険があります。

ネギ類:
ニラ、ニンニク、小葱、玉ねぎ、ヒガンバナ、白ネギ、万能ねぎ、リーキ、チャイブなどヒガンバナ科といわれるグループの花や野菜は多く存在します。玉ねぎ中毒は有名ですが、ニンニクも同様のアリシンと呼ばれる成分が含まれ中毒を起こすことがあります。

スイセン:
人でもニラと間違えて中毒症状を引き起こす事例が頻繁に報告されていますが、猫ちゃんも同様です。葉っぱの形が猫草に似ているため注意が必要です。

モンステラ・ポトス・アンスリウム・アグラオネマ:
いずれも観葉植物として室内で栽培されているお家も多い植物ですが、サトイモ科に属しておりシュウ酸というエグミにあたる成分を含みます。かじると口に灼熱感と重度の流涎がみられます

ジギタリス:
切り花で人気があり、お家の中で飾られるケースも多いかと思われる花ですが、全ての部位にジギトキシンという成分があり、葉であれば数枚でも中毒を起こします。直接触れないようにするだけでなく、散った葉っぱなども片付ける等して注意してください。

ユリ:
猫ちゃんにとって非常に強い毒性を持つ植物です。葉や花粉にも毒性があるとされています。中毒成分が何かということも不明ですが、急性腎不全を引き起こし3~7日で亡くなるケースがあります。冠婚葬祭や卒業入学などの際に花束としてお家に持ち込まれる場合があります。花粉も含めて絶対に猫ちゃんと接触しないようにご注意ください。

番外編

ミミズ:
土の中を耕してくれるといわれているミミズさん。まれに「ミミズを食べるんです」という相談をワンちゃんを飼われている方から相談を受けることがあります。ミミズは犬猫に感染する寄生虫を持っていることがあるため要注意です。犬鞭虫、毛細線虫、猫回虫が代表例です。土を耕した時や雨の後などに、ワンちゃんや猫ちゃんを庭に出す場合ミミズさんとの遭遇率も高いかと思いますのでご注意ください。

お庭やお家の中でわんちゃんや猫ちゃんと一緒に楽しい緑のある生活を過ごされてください。

トマト

我が家のトマト苗です!花がついたばかりで、実が食べれるのは1ヶ月以上先ですが、もし待ちきれず茎をワンちゃんが食べると中毒起こしますのでご注意下さい。